[...]「いいこと思いついた。」アレは、秘密を明かす時の私の友人エイプリルを真似て前かがみになった。もっとも、彼女の秘密はいつも大したことないし、そもそも秘密でもない。「私がここにいることを誰にも言わなければ、アンタの目を治してあげるよ。」 「冗談でしょ!」 アレはパチパチと瞬きをした。「やってあげるよ。」 「そんなことできるわけないでしょ!」 「なんでよ?」 「なんで、って、今まで誰も私の目を治すことなんてできなかったし、眼鏡だけが頼りだったんだから。」 「私にはね、特別な力があるんだ。アンタも今にわかるよ。もし…」 「…ここにいることを誰にも言わなければ?」 「そう、絶対にね。」 「でも、全盲になるかもしれない。あなたが宣伝の上手いだけの嘘つきじゃないってどうしたら分かるっていうの?」 アレはまた手をこすりだした。「私はね、私に害を与える生き物にしかひどいことはしないよ。」 「ということは、私がもしあなたに害を与えたら、私を盲目にするかも知れない?」 「よくわかってるじゃないか。」 「それで、、、私の目を治して、私があなたのことを誰にも言わなければ、うちの畑から出て行ってくれるの?」 「その通り!」[...] | Entry #38473 — Discuss 0 — Variant: Standard-Japanjapajpn
Winner Voting points | 1st | 2nd | 3rd |
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55 | 12 x4 | 3 x2 | 1 x1 |
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[...]「ひとつ提案がある。」それは身を乗り出してきた。友達のエイプリルが内緒話をするときみたいに。彼女のネタにろくなものはひとつもないけれど。むしろ内緒話といっていいものか。「私がここに来たことを誰にも言わないなら、君の目を治してあげよう。」 「帰って!」 それは目をパチパチとした。「そうしようとしているところだが。」 「だから、手を出さないで!」 「どうして?」 「メガネなしで目を治せる人なんていないから。」 「私にはある力があってね。すぐにわかるさ。ただし――」 「あなたのことを誰にも言わないって?」 「そう、それが肝心だ。」 「目を見えなくしないって保証はないじゃない? セールスみたいに、大ウソの約束をしてるかもしれない。」 また両手で窓を拭く仕草。「危害を加えてこない生き物に対して、そのようなことはしないさ。」 「てことは、もしあなたを傷つけたら、見えなくするってこと?」 「必要以上のことは言えないよ。」 「もしあなたが目を治して、私が誰にも言わなかったら、畑から出ていってくれるの?」 「それが肝心だ!」[...] | Entry #38333 — Discuss 0 — Variant: Standard-Japanjapajpn
Voting points | 1st | 2nd | 3rd |
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37 | 5 x4 | 7 x2 | 3 x1 |
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「私には提案があります」とそれは役立たない秘密を言いふらす友達のエプリルの姿勢と同じく、前に寄りかかる。その秘密も別に本当の秘密ではないし。「誰にも私がここにいることをバラさなければ、私は君の目を治せる。」 「ありえない!」 それは2回も目叩きして、「それを心がけているところ。」 「それができないって言っているよ。」 「何で」 「今までメガネ以外で、私の目を治してくれるものがないから」 「私には、特別の能力がある。それが分かる。もし。。。」 「そういう事。それが核心なのだ」 「私が見えないようにすることもできるでしょう。嘘八百のテレマーケターみたいに約束ばっかりする人とどう違うの。」 それは塗っては、拭き取り始めた。「私に被害を与えていないようなものには、そんなことはしない。」 「私があなたに被害を与えたら、私を盲目にするってこと。」 「それは秘密情報だ。」 「そして、あなたが私の目を治して、そっちを誰にも知らさなければ、私たちの土地から出るというの。」 「そういうこと。」「。。。」 | Entry #37903 — Discuss 0 — Variant: Standard-Japanjapajpn
Voting points | 1st | 2nd | 3rd |
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19 | 1 x4 | 3 x2 | 9 x1 |
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